2026/08/23
日本酒を選ぶとき、「辛口が好きです」「甘口のお酒はありますか?」という言葉をよく耳にします。
ところが、日本酒の「辛口」は、唐辛子を食べたときのような辛さとはまったく違います。
では、日本酒では何をもって「辛口」と呼んでいるのでしょうか。
日本酒選びの目安としてよく使われるものに「日本酒度」があります。
日本酒度は、お酒に含まれる糖分などによって変化する比重を基準にした数値です。一般的にはプラスの数値が大きいほど辛口、マイナスになるほど甘口の傾向があると説明されます。
しかし、ここで面白いのが「日本酒度だけでは実際に感じる甘辛は決まらない」ということです。
日本酒には甘味だけでなく、酸味、旨み、香り、アルコールによる刺激など、さまざまな要素があります。
例えば同じ日本酒度のお酒でも、酸味がしっかりしているとキレのある辛口に感じることがあります。
反対に、米の旨みや香りが豊かな日本酒では、数値上は辛口でも柔らかく感じることがあります。
そのため、日本酒度が「+5だから、このお酒は必ずこのくらい辛い」と単純に判断することはできません。
また、日本酒は温度によっても印象が変化します。
冷やして飲んだときにはすっきり感じたお酒が、常温や燗にすることで米の旨みや甘味を感じやすくなることもあります。
料理との組み合わせでも感じ方は変わります。
例えば、脂のある炭火焼き鳥にキレのある日本酒を合わせると、口の中をすっきりさせながら次の一口を楽しめます。
白身魚など繊細なお刺身には、香りや旨みが料理を覆いすぎない日本酒を合わせるのもひとつの方法です。
つまり「辛口」という言葉は、日本酒を選ぶための便利な目安ではありますが、それだけで味を判断するものではありません。
日本酒度、酸度、香り、米の旨み、温度、そして一緒に食べる料理。
これらが重なって、私たちが実際に感じる味わいになります。
次に日本酒を選ぶときは、ラベルに書かれた「辛口」という言葉だけではなく、ぜひ「どんな料理と一緒に飲むのか」まで考えてみてください。
今まで選ばなかった一本が、実はお気に入りの日本酒になるかもしれません!