2026/10/06
焼き鳥屋で焼き台を見ていると、
ある串は何度も返している。
ある串は火との距離を変えている。
同時に焼き始めたのに、焼き上がる順番が違う。
そんな光景を見ることがあります。
「鶏肉なのだから、全部同じように焼けばいいのでは?」
と思うかもしれません。
しかし実際には、鶏肉は部位によって脂の量、水分、厚み、肉質などが異なります。
そのため、火の入り方や焼き上がり方にも違いがあります。
今回は、焼き鳥の「部位」と「火入れ」の関係について分かりやすく解説します。
焼き鳥は部位によって性質が違う
焼き鳥にはさまざまな部位があります。
もも。
ねぎま。
せせり。
ハツ。
砂肝。
ぼんじり。
皮。
軟骨。
同じ鶏から取れる部位でも、食べてみると食感は大きく違います。
やわらかい部位もあれば、弾力のある部位もあります。
脂を多く感じる部位もあれば、比較的あっさりした部位もあります。
この違いが、焼き方にも関係してきます。
脂の量によって焼け方が変わる
焼き鳥を焼くうえで大きな違いになるのが脂です。
脂を多く含む部位を加熱すると、脂が溶け出します。
炭火焼きの場合、その脂が炭に落ちることで炎が上がることもあります。
炎が直接食材に当たり続けると表面が焦げやすくなるため、串の位置を動かしたり、火との距離を調整したりすることがあります。
一方、比較的脂の少ない部位では、加熱しすぎると水分が抜けて食感が硬く感じられる場合があります。
つまり「脂が多い串」と「脂が少ない串」では、同じ焼き方が必ずしも適しているわけではありません。
厚みによって中心まで火が入る時間が違う
もう一つ重要なのが、肉の厚みです。
薄い食材と厚い食材を同じ火力で加熱した場合、中心部まで熱が届く時間は同じではありません。
厚みのある串では、表面だけが先に焼けて中心部の加熱が追いつかないことがあります。
反対に小さく薄い部位を強く加熱し続ければ、必要以上に水分が失われることがあります。
そのため、串打ちの段階で肉の大きさをある程度そろえることも重要です。
手刺しと火入れはつながっている
新橋 鶏眞では、焼き鳥を毎日店内で一本一本手刺ししています。
串打ちは単に「鶏肉を串に刺す作業」ではありません。
一串の中で極端に大きさが違えば、同時に焼いても火の入り方に差が出やすくなります。
焼き上がりを考えながら肉を串に組んでいく。
つまり、焼き鳥の火入れは焼き台に置いた瞬間から始まるのではなく、その前の串打ちとも関係しています。
水分と加熱の関係
肉には多くの水分が含まれています。
加熱すると、肉のたんぱく質に変化が起こり、水分の保持状態も変わっていきます。
必要以上に加熱を続ければ、水分が失われ、食感が硬く感じられることがあります。
一方で鶏肉は、中心まで適切に加熱することが大切な食材です。
そのため焼き鳥では、
「できるだけジューシーに仕上げたい」
ということと、
「安全に必要な加熱を行う」
という両方を考える必要があります。
強い火だけで焼けばいいわけではない
炭火は高温になりやすいため、焼き鳥との相性が良い加熱方法です。
しかし「火力が強ければ強いほどおいしくなる」というわけではありません。
表面を香ばしく焼きたい場面。
中心までじっくり熱を入れたい場面。
脂が落ちて炎が上がっている場面。
焼き鳥の状態によって、適した火との距離は変わります。
以前の記事でご紹介した「近火・遠火」の使い分けも、この火入れに関係しています。
炭火との距離でも加熱の強さは変わる
炭火そのものの状態だけでなく、食材と炭との距離によっても受ける熱の強さは変わります。
炭に近づければ強い熱を受けやすくなり、離せば比較的穏やかになります。
焼き鳥では、一本の串を最初から最後まで完全に同じ位置で焼くとは限りません。
部位や焼け具合を見ながら、火との距離を調整することがあります。
これが以前ご紹介した「近火・遠火」の考え方です。
串を返すのにも理由がある
焼き鳥を焼いていると、何度も串を返している様子を見ることがあります。
串を返すことで、片側だけに熱が集中するのを避けながら全体を加熱できます。
ただし、どのタイミングでどの程度返すかは、串の状態によって変わります。
焼き色。
脂の出方。
表面の状態。
火の強さ。
こうした変化を見ながら焼き進めます。
部位ごとの「食感」を残す
焼き鳥の面白さは、部位ごとに違う食感を楽しめることです。
砂肝なら特徴的な歯ごたえ。
ハツなら弾力。
せせりなら肉の弾力と脂。
ぼんじりなら脂の旨み。
皮なら香ばしさと食感。
せっかく異なる部位を食べるのであれば、それぞれの特徴を感じられるように仕上げたいところです♪
そのためにも、全部を機械的に同じ時間だけ焼くのではなく、部位や串の状態を見ながら火入れを変えることが重要になります。
塩を振るタイミングも仕上がりに関係する
以前の記事では「焼き鳥の塩はいつ振るのか?」についてもご紹介しました。
焼き鳥の仕上がりは、
串打ち。
塩。
炭の状態。
火との距離。
焼き時間。
串を返すタイミング。
こうした一つひとつの工程の積み重ねです。
焼き鳥は「鶏肉を串に刺して焼く」というシンプルな料理だからこそ、それぞれの工程の違いが仕上がりに表れます。
焼き鳥はシンプルだからこそ奥深い
焼き鳥は、見た目だけなら非常にシンプルな料理です。
しかし実際には、鶏の部位によって性質が違います。
脂の量が違う。
水分量や肉質が違う。
厚みが違う。
食感が違う。
そして炭の状態も常に完全に同じではありません。
だからこそ、焼き鳥は一本一本の状態を見ながら焼いていく料理でもあります。
新橋 鶏眞では毎日店内で手刺し
新橋駅烏森口から徒歩3分の「新橋 鶏眞」では、焼き鳥を毎日店内で一本一本手刺ししています。
炭火焼き鳥だけでなく、その日の仕入れに合わせた活魚・鮮魚のお刺身、岩中地豚料理、一品料理、創作和食などもご用意しています。
焼き鳥にはビールやハイボール。
お刺身には地酒日本酒。
料理に合わせてお好みのドリンクと一緒にお楽しみください。
まとめ|部位が違えば火入れも変わる
焼き鳥は、すべての串をまったく同じように焼けば同じ仕上がりになる料理ではありません。
部位によって、
脂の量。
肉質。
厚み。
水分。
食感。
などが異なるからです。
さらに炭の状態や火との距離によっても、熱の入り方は変化します。
次に焼き鳥を食べるときは、ぜひ部位ごとの焼き色や食感にも注目してみてください。
普段何気なく食べている一本の焼き鳥が、少し違って見えてくるかもしれません。
新橋 鶏眞 店舗情報
店名:新橋 鶏眞
住所:東京都港区新橋4-18-4 十合ビル3F
アクセス:新橋駅 烏森口から徒歩3分
営業時間:平日 17:00〜23:00/土・日・祝 13:00〜23:00
電話番号:050-5869-6600
個室:あり
飲み放題:飲み放題付きコースあり
料理:炭火焼き鳥、活魚・鮮魚のお刺身、岩中地豚料理、一品料理、創作和食など
ドリンク:ビール、ハイボール、地酒日本酒、地酒焼酎、生搾りサワー、カクテル、ワイン、スマドリ、ノンアルコールなど120種類以上。