2026/08/22
焼き鳥といえば、鶏肉を竹串に刺して焼く料理。
あまりにも当たり前の姿なので、「そもそも、なぜ串に刺して焼くのだろう?」と考えたことがある方は少ないかもしれません。
焼き鳥の串には、単に食べやすくするだけではなく、焼き上がりにも関係する大切な役割があります。
そのひとつが、肉を適切な位置に固定して焼きやすくすることです。
鶏肉は、もも、むね、せせり、皮、ハツ、砂肝など、部位によって肉質や脂の量、形が大きく異なります。
串に刺すことで肉の位置や向きを整え、炭火との距離を見ながら一本ずつ焼くことができます。
そして重要なのが「串にどう刺すか」です。
例えば、ひとつの串の中でも肉の大きさや厚みが大きく違えば、薄い部分には先に火が入り、厚い部分はまだ十分に火が入っていないという状態になりやすくなります。
そのため串打ちでは、肉の大きさや厚さ、脂の量などを考えながら並べることが大切です。
串を回したときに肉だけが動いてしまわないよう、肉を安定させて刺すこともポイントです。
さらに焼き鳥では、串のどの位置にどの大きさの肉を配置するかにも意味があります。
炭火は焼き台のすべての場所が完全に同じ温度になるわけではありません。炭の状態や量によって火力には違いが生まれます。
焼き手はその状態を見ながら、串を置く場所、炭との距離、返すタイミングなどを調整します。
つまり、美味しい焼き鳥を作る仕事は「焼く瞬間」から始まるわけではありません。
肉を切り分け、その特徴を見て、串に刺す。
この仕込みの段階からすでに焼き上がりへの準備が始まっています。
また、ねぎまのように鶏肉とねぎを交互に刺す串、皮を重ねるように刺す串、内臓を使った串など、食材によって適した串打ちの方法も変わります。
一見するとシンプルな一本の焼き鳥ですが、肉の切り方、大きさ、並べ方、串の刺し方、塩加減、火力、炭との距離、返すタイミングなど、いくつもの工程が重なって完成します。
次に焼き鳥を食べるときは、ぜひ「串の刺し方」にも注目してみてください。
肉の大きさがどのように揃えられているのか、一本の串にどのように配置されているのか。
普段何気なく食べている焼き鳥を見る楽しみが、またひとつ増えるかもしれません♪