2026/09/03
魚を三枚におろしたときや、刺身の切り身を見たとき、身の一部に赤色や赤黒い部分があることがあります。
これが一般に「血合い」と呼ばれる部分です。
名前に「血」と入っているため、「魚の血が残っている部分なの?」と思う方もいるかもしれません。
しかし、血合いは単に血液が溜まって赤くなっている部分ではありません。
血合いは魚の筋肉
魚の身の大部分を占める白っぽい筋肉に対して、血合いは赤色や赤褐色をした筋肉です。
魚が長時間泳ぎ続けるために使う筋肉で、「血合筋」とも呼ばれます。
血合筋には毛細血管が多く、酸素を利用して継続的に働くことに適した性質があります。
そのため、マグロやカツオ、サバなど活発に泳ぐ魚では血合いが発達しています。
なぜ赤黒く見える?
血合いが赤く見える理由のひとつが「ミオグロビン」です。
ミオグロビンは筋肉の中で酸素を保持する働きを持つ色素タンパク質で、赤い色をしています。
血合筋にはミオグロビンが多く含まれるため、普通の白身部分より赤く見えます。
さらに時間が経過してミオグロビンが酸化すると、色が褐色や赤黒い方向へ変化していくことがあります。
赤身魚の赤色も同じ仕組み?
マグロやカツオの身が赤いことにも、ミオグロビンが大きく関係しています。
マグロなどは長時間泳ぎ続けるため、酸素を利用する筋肉が非常に発達しています。
一方、タイやヒラメなどの白身魚では、瞬間的に力を出す筋肉の割合が多く、身が白っぽく見えます。
魚の身の色は、単なる見た目の違いではなく、その魚がどのように泳ぎ、生活しているのかとも関係しているのです。
血合いは食べられる?
血合いは基本的に食べられる部分です。
魚によっては、刺身、焼き物、煮付けなどで普通に食べられています。
ただし血合いは普通の身とは香りや味が異なり、魚種や鮮度、保存状態などによって風味の感じ方も変わります。
血合い部分を好む人もいれば、独特の風味が苦手という人もいます。
血合いと「血抜き」は別の話
ここは混同されやすいところです。
魚を締めたあとに行う「血抜き」は、血管などに残っている血液をできるだけ取り除くための処理です。
一方の血合いは筋肉そのもの。
つまり、きちんと血抜きをした魚でも血合いは残ります。
「血合いがある=血抜きされていない」という意味ではありません。
血合いを見ると魚の生き方が分かる
普段は料理として何気なく見ている魚の身ですが、その色には魚の生態が表れています。
長距離を泳ぎ続ける魚なのか。
普段はゆっくり動き、必要なときに瞬発的に泳ぐ魚なのか。
筋肉の使い方が違えば、身の色や食感にも違いが生まれます。
血合いは、そんな魚の生き方を知る手がかりのひとつです。
次に魚をおろしたときや刺身を食べるとき、赤黒い部分を見つけたら少し注目してみてください。
それは単に「血が残っている場所」ではなく、魚が泳ぎ続けるために使っていた大切な筋肉なのです!!