2026/08/18
焼き鳥店の前を通ったとき、炭火で肉が焼ける独特の香りに思わず足を止めた経験はありませんか。
焼き鳥には炭火で焼く方法とガスなどの熱源で焼く方法がありますが、同じ鶏肉を焼いても仕上がりには違いが生まれます。
その理由のひとつが、炭火から放射される赤外線による加熱です。
炭火は高温で食材の表面を加熱できるため、焼き鳥の表面を香ばしく仕上げながら、中の水分を必要以上に失わせないよう火を入れることができます。
そして、炭火焼きの大きな魅力が「香り」です。
焼き鳥から落ちた脂や肉汁が熱い炭に触れると煙や香りの成分が発生し、それが再び食材の表面にまといます。
この炭火、脂、煙が生み出す独特の香ばしさが、炭火焼きならではの風味につながります。
一方、ガスは火力を調整しやすく、安定した加熱をしやすいという大きな利点があります。
つまり「炭火なら何でも美味しくなる」「ガスだから美味しくない」という単純な話ではありません。
炭火には炭火の特徴があり、ガスにはガスの特徴があります。
さらに、炭火焼きで重要なのは炭そのものだけではありません。
炭と焼き鳥の距離、炭の量、火力、串を返すタイミング、部位ごとの脂の量などによって仕上がりは大きく変わります。
例えば脂の多い部位では、落ちた脂によって炎が上がりすぎると表面だけが焦げてしまうことがあります。そのため、火の状態を見ながら焼く位置や串の高さを調整することも大切です。
焼き鳥は一見すると「串に刺した鶏肉を焼く」というシンプルな料理です。
しかし、串打ち、塩加減、炭の状態、火との距離、焼く時間など、いくつもの小さな判断が一本の仕上がりにつながっています。
次に炭火焼き鳥を食べるときは、ぜひ味だけでなく、表面の香ばしさや炭火ならではの香りにも注目してみてください。
普段何気なく食べている一本の焼き鳥にも、炭火を使う理由が見えてくるかもしれません。