2026/08/14
同じ魚のお刺身でも、「切り方」によって食感や味の感じ方が変わることをご存じでしょうか。
刺身は単純に魚を切って盛り付ける料理に見えますが、魚の身質や脂の乗り方、弾力などに合わせて切り方を変えることで、その魚が持つ美味しさを引き出すことができます。
代表的な切り方のひとつが「平造り」です。
マグロやカツオ、ブリなど、比較的身がしっかりした魚によく使われる切り方で、ある程度の厚みを持たせて切るため、魚そのものの食感や旨みをしっかり感じることができます。
一方、「そぎ造り」は包丁を寝かせるようにして、身をそぐように切る方法です。
鯛やヒラメなどの白身魚は身に弾力があるため、そぎ造りにすることで食べやすくなり、繊細な旨みも感じやすくなります。また、切った身の表面積が広くなるため、醤油やポン酢などともなじみやすくなります。
そして、フグ料理などでよく知られているのが「薄造り」です。
身に強い弾力がある魚を非常に薄く切ることで、独特の歯ごたえを残しながら食べやすくします。厚く切れば美味しい、薄く切れば美味しいという単純なものではなく、その魚の特徴に合わせることが大切なのです。
さらに刺身では、包丁の使い方も重要です。
何度も前後に動かして切るのではなく、よく研いだ包丁を使い、できるだけ滑らかに引き切ることで、身の断面をきれいに仕上げることができます。
刺身は加熱や濃い味付けをしない料理だからこそ、魚の鮮度だけでなく、包丁、切り方、厚み、盛り付けなど、一つひとつの仕事が味わいにつながります。
新橋 鶏眞でも、その日に仕入れた魚の特徴を見ながらお刺身をご提供しています。
次にお刺身を食べる機会があれば、ぜひ魚の種類だけでなく「どんな厚さで、どんな切り方をしているのか」にも注目してみてください。
いつものお刺身が、少し違って見えてくるかもしれません。